野良猫の飼い馴らし方。
**未衣side

ゆっくり、ゆっくり歩きながら、私はこれからのことを考えたりしてみる。

きっと、戻ってきた彼らは私の失踪にすぐ気付くだろう。

それはいい。仕方がない。

でもきっと、追いかけてはこないはずだ。

…そんな価値、私にはない。

私を飼うと言った彼らの心理は理解できないけれど、どうせただのお遊びか、暇つぶしだろう。

探求するまでもない。

男なんて、結局はそんなもん。

女に飢えてて、プライドと意地の塊。

…って、誰かに教えられた気がする。多分。

そんなことを考えてみれば、私はようやく、繁華街の入口にまでたどり着けたらしい。

何とも言えない、おなじみの匂いがする。


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