野良猫の飼い馴らし方。


ふぅと一息ついて繁華街へと一歩足を進めれば・・・

「はい、捕獲。」

「え」

―どうやらあたしは、スタートに戻るマスに止まってしまったらしい。

嗚呼、ゴールはもう目前なのに…って。

「ちょ、やっ!放して!!!」

なんでなんでなんで!?

なんで春野先輩があたしを捕獲してるの!?

いくら暴れても放してもらえず、結局、あのマンションへと戻ってきた。

あの部屋に入れば、春野先輩以外のみんなが、リビングに集まってる。

…あれ、なんでだろう。

すっごく睨まれてる気がする。視線が刺さる。

「よいしょっと。」

こともあろうに、その威圧感たっぷりの輪の中心であるソファーに座らせられたあたし。

もう嫌だ。帰りたい。


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