野良猫の飼い馴らし方。
もともと時間を気にする習慣がないあたしのことだ。
目の前に時計がなければ、こんなにもルーズに行動できる。
…時計があったとしても、そこまできびきび動きはしないが。
「ん~…!」
大きくひとつ背伸びをしてから、よろよろと立ち上がる。
―クラッ
いつものように目眩が起きたが、気にせずに歩きだした。
重たい扉を開けて屋上を出れば、真っ直ぐ自分のクラスを目指す。
…残念なことに、たどり着いた教室であたしは、クラスメイトからの冷たい視線を浴びることになる。
「…【ノラ】だ。」