アイドルって、バレたなら。
この前、お会計に来た彼が、慌ててポケットを探っていた。


「すいません。小銭入ってると思ったのに無かった。財布預けちゃってるし、これいいや。」

「あ、ちょっと待って。また来ますよね?私、立て替えときます。お茶、一本だけだし。」

「え、でも。」

「よく来てくれるから特別に。」

「そう?ありがとう。」


もちろん、他のお客サンには絶対こんなことはしない。

店長にも内緒。

退屈な日々を送る私に、彼との小さな秘密が出来た。
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