メインクーンはじゃがいもですか?

「おはよう」

 清々しい声で朝の挨拶をする修に、「なんだ」霧吹は挨拶を省略した。

「葵さんいますね?」

 霧吹は、あ? と眉根を詰めると目だけで修に消えろとやる。

 葵はその声にびくりとし、体を強ばらせるが、死角になっているので修を見ることはない。

 雰囲気で、あまりよろしくないことが分かるので、息を殺して動向を見守る。

「なんで将権が葵さんの大学に着いていくの?」

「天気がいいからな」

「昨日一緒にいたから、ここにいるんじゃないかと思って」

「うるせえやつだな。こっちもいろいろあんだよ」

「昨日の話は覚えてる?」

「覚えてねーよ、じゃぁな」

 霧吹は黒い窓をウィーっと閉めると「行け」と次郎に声をかけた。

 修をそこに残したまま霧吹ご一行は大学へ向かう。


 五千万の為に霧吹は犯人捜しを続行し、次郎はそれを手伝う。

 葵は守ってもらいながら勉強し、三郎は多方面から犯人あぶりに精を出す。

 四郎は家の監視を続け、霧吹組長はゴルフをしに千葉県は長太郎カントリーへと向かい、犬山は朝まで飲んだくれてきたのでこれから眠りにつき、野兎組長は健康維持と流行に乗っかっているために、朝のヨーガを行いにヨーガスタジオへと向かう。



 犯人の例の男は、大学の準備をし、朝1のメールを葵に送った。


< 107 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop