メインクーンはじゃがいもですか?
確実に「1センチの束」であることを確認し、内ポケにいやらしくしまう。
「俺はそういうちんけな真似はしねーよ」
霧吹は、椅子にふんぞり返って鼻の穴を広げた。
「いやいやそれにしても、お勤め明けにやっかいなもん拾ってしまわれましたねぇ。ぼっちゃんもその綺麗なスーツに血のような染みまでつけちゃって、匂いからするとワインでしょうが、まぁ、だいたいお察ししますが・・・ひいちゃいました?」
「俺じゃねぇけどな。出所したてでこりゃぁ、どうにもなんねぇだろうよ」
「はは、確かに仰る通りですね。私も出たての頃はしばらくオトナシクしていたものです」
「だろうなぁ、今となっちゃ分かる気がするよ」
霧吹とヤブ医者はしばらく感慨に浸っていたが3分と持たず、ヤブ医者はパイプ椅子から立ち上がると、腰をとんとんと叩いた。
白いスーツも後にならう、その後に次郎もならう、の後に舎弟4人もならう。