メインクーンはじゃがいもですか?
小町にはどういうわけか修がいた。
そりゃそうだ、ここは修の親父さんである将修の持ち物だ。いつも何かしらの話がある時はかならずここに来るのが定番になっている。
修は霧吹がここへ来るだろうと予測し先回りをしていた。
「修さん発見しました!」
酔っ払った葵は常時ハイテンションだ。ハイタッチを求められた修はテンションの高すぎる葵を、不思議なモノを見る目で見て、なんとなくハイタッチに答えた。
その後ろにいる霧吹に目を向け、
『なにこれ?』と先にスタスタと歩く葵の背中を指さした。
「酒は飲ませるなってとこだな」
「大学からここまで、そんな長い距離じゃないでしょ」
「空きっ腹に入れたからだなきっと。あれはドラ猫だ。やべえぞ」
「葵ちゃん酔っぱらってるからって手ー出しちゃダメだよ」
霧吹の腹辺りをぐいっと人指し指で押す修の手を、霧吹は払いのけた。
「近いうちに手は出す」
普通そうは言わないだろということを霧吹はサラリと言ってのけた。
面食らった修をその場に残し、次郎と葵の後を追う霧吹は面倒くさそうに首を横にカキカキやった。