メインクーンはじゃがいもですか?
「次郎、そのドラ猫を連れて帰るぞ」
メシもそこそこに霧吹は葵を顎で指し示す。
「でもまだ料理が終わってないですよ」
「タッパーに詰めてもらえ」
「タタタタタッパーっすか」
もっとましな言い方が無かったものかと考える次郎の一瞬の隙をついて、酔っ払い葵がビール瓶を奪った。
「だ か ら !」
次郎はそれを新幹線「のぞみ」が突っ走る勢いで一瞬で奪い返す。
「こいつは飲ませるとどうしようもないな。っとにこんなに変わるやつも久しく見ねえわな」
霧吹ご一行は食事もそこそこに、酒を飲ませろと暴れるじゃじゃ馬をなだめすかし、それでも暴れる問題児を霧吹は「こんちきしょうめこの野郎!」と米俵を担ぐように肩にかつぐ。
短いワンピースの為、相変わらずの白いパンツがちらちら見えてしまっているが、霧吹はそんなことには気もとめない。
と、そこで葵の体の中から『お酒の神様』がもー飽きたとばかりに、抜け去って行った。
正気に戻りつつある葵は自分がどうなっているのか、頭で理解するのに時間を要した。