メインクーンはじゃがいもですか?
「だからさ、今私たち、生きるか死ぬかの瀬戸際なわけよ。あんたと遊んでる暇はないわけ。で、あんたあと1年で学校卒業なんだって? だったら、さっさと卒業して自分の人生歩いた方がいいってこと。わかった?」
「わかりません!」
「っとに本当に面倒くさいわね。今感じてるそのあれだ、将権のことを好きかもしれないーって感情は気のせいよ」
「気のせいってなんですか。そんなことないです」
「自分が危ない目に合いそうになった時にたまたま助けてくれた将権に、あ、いいかもって気持ちが揺らいだだけにすぎないの。ほら、あんなのって滅多にいないくらいのバカでしょ? 珍しかっただけよ。ナイチンゲール症候群だっけ? そんなやつよ」
葉巻を揉み消し、席を立つ。
「そういうわけだから」
私の気持ちは無視で、どどーっと話を進められてる気がする。確かに、霧吹さんとは何があったってわけでもないけど、
「一目惚れだもん」
「は?」
あ! 心の声の最後の部分、一番重要な部分が、ついうっかり漏れた。
口を押さえたけど、時既に遅し。
うっかり八平だ。
「何その子供みたいな言い方。もんもんて、笑える」