メインクーンはじゃがいもですか?
「なんかあったら両隣や下の部屋、はたまた隣の隣でもいいですから言ってください。むしろなんだったらおもいっきりジャンプしてくれても構いませんよ」
なぜ隣? なぜ下?
「ここ、下っ端の若いもんが寝泊まりしているとこっすから、常に誰かしらいるんで」
三郎が一言でまとめた。
葵は顔面から血の気が引いた。友達は呼べないな、うん。
だーれも呼べない。そして今日はいきなりのげんこつが何発も落とされる日だった。
一日ですっごいいろんな動きがあった。
体力的にも精神的にもけっこう疲れた葵は、用意してくれた家具一式の物色は後回しにし、懐かしい自分のベッドで一眠りすることにした。
迷って答えの出ないとき、悲しくて仕方がないとき、心が折れそうなとき、とりあえず元気がでないとき、そんなときはさっさと寝るに限る。
寝ている間に脳みそが勝手に情報をそれぞれにファイリングしてくれて、いらない情報は削除され、必要な情報だけを頭の中のデスクに置いておいてくれる。
それを朝起きて目を遠し、最終確認すればいいだけだ。