メインクーンはじゃがいもですか?
iPhoneがうっとうしく振動した。
『葵さん、具合が悪そうですけど大丈夫ですか?』
「具合が悪いのはお前の頭だな」
三郎は文句を垂れて、すぐさま若に電話をする。
「あ? 具合が悪そうだと? いるな。この中にいる」
しかし、今さっき自分がした変態講義のおかげで、学生がほぼ全員講堂から抜け出して来ているので、自動販売機の前には50人前後の学生がたむろっていた。
「クソ! これじゃどのクソガキだか検討もつかねぇ」
電話を耳に当てながら霧吹が吐き捨てた。
『あれ? 今日は電話、忘れちゃったのかな? 今日の洋服も素敵ですよ。良く似合っています』
三郎はそれを読み上げた。
「どこだ」
俺の金づる。
次郎もしきりに捜すが、相手は学生だ。
見た目あやしい奴なんて皆無に等しい。
携帯片手に何かしているので、みんなが一様にあやしくみえてしまう。
葵を見ることができる場所はたくさんある。