メインクーンはじゃがいもですか?

「葵さんがどう思うかによってだと思いますけどでもいいんですか? その。あのことは」

「あぁ、あれか。今さらどうでもいいだろう」

 金色のジッポの蓋をカッキーンときれいな音を響かせてタバコに火をつける。

「なんだか出てきてから立て続けに面倒くせーなぁ」

 自分で面倒くさいことに入り込んでるとも知らず、人のせいにするあたり、誠に人が出来ていないが、2年ほどぶちこまれている間に少しはまともな人格が形成されたのかもしらない。

「ひとまずは明日の野兎のことだけ考えるか」

 やっと本線に戻ってきた暴走車に一息つく次郎。

「そうっすよ。そうしやしょう。明日の件をこなしてから考えましょう」

 次郎も同意する。


 と、霧吹の携帯に着信が入った。

 それは、葵の家で葵のiPhoneを監視をしている三郎からのものだった。


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