メインクーンはじゃがいもですか?
その連絡を聞いた霧吹は渋い顔をした。
三郎はもう葵の部屋にいる必要がなくなり、霧吹に言われたとおりの場所へ向かうべく用意を始めていた。
明日の朝一番に戻ることになり、持参してきている麻袋に荷物をまとめ、例の男が残して行ったメモをポッケにしまった。
このメモは、あいつを見つけ出して一発ぶん殴るまでは捨てられないとばかりに握りしめ、歯ぎしりをした。
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次の日の夕方、JR蒲田駅東北口に霧吹と次郎、なぜか葵の姿もあった。
でかいリムジンは細い路地を抜けるのに苦労して、何回も切り返してやっとこさ目的の場所へ到着した。
狭い場所には軽自動車がよく似合うとはこういうことか、無駄に長ったらしいリムジンは蒲田には似合わない。
そこ一帯は昭和を感じさせる懐かしの寂れた通りが存在し、悠々自適に暮らす野良猫が多く生息していた。
野良猫の聖地、野良人間の聖地でもあるここには、さまざまな人が集まってくる。おてんとうさまの下を歩くには少々後ろめたさのある人間たちにはかっこうの隠れ場でもある。