契約彼氏-ニセ彼氏-
「あ、うーん、結果まだだけどね。あ、でも留学とかするかも」
曖昧な返事をしたら、理沙は溜息混じりに言った。
「やっぱ国立かぁ……。いいなぁ、トモは頭良くって」
どうやら本当に知らないらしい。
私が「ところでニュースって?」と振ると、理沙は「あっ、そうそう!」と食いついてきた。
話によると、何でも担任のシゲタが結婚するらしい。
相手は本間知里子、かつて同じクラスだった女のコだ。
「しかもデキ婚だってよ。アイツらヤッてたんだねぇ」
それから理沙は「知里子は魔性の女だ」とか「変なエッチしてそう」とか、ひとしきり毒を吐くと、「あ、カレシ来た、じゃあね!」と唐突に電話を切った。
静まり返った部屋に1人取り残される私。
溜息をつきながらケータイを切る。
それからアルバムをとり出して知里子を探した。