愛色と哀色の夜
邂逅
*****
はらはらと、一片の雪が降る、空気をも凍る、そんな夜でした。
「…寒い…」
ほぅ、と白い息を吐き冷えた体を擦り、何処と無く虚空を見上げました。
「……今日は、眠れなさそう…」
小さく言った言葉は、冷気に包まれて消えていきます。
ボクは布団の代わりに使っている段ボールにくるまり、舗装のされていない畦道に横になりました。
(……ボクは、いつになったらこの生活から解放されるんだろう)
考えても仕方のないことを考えてしまうのは、ボクの悪い癖です。
「…寝よう」
呟き、段ボールをすっぽりと被ります。
「おやすみ」
誰に言う訳ではなく呟き、静かに目を閉じました。
−−−−ザクッ−−−−
不意に、誰かの足音が聞こえました。
−−−−ザク、ザク−−−−
その足音は、どんどんボクの方に近付いています。
(誰…!?)
ボクのいる、この橋の下は人は滅多に近付かない場処です。
−−−−サクッ−−−−
やがて足音は、ボクの真正面で止まりました。
「……」
はらはらと、一片の雪が降る、空気をも凍る、そんな夜でした。
「…寒い…」
ほぅ、と白い息を吐き冷えた体を擦り、何処と無く虚空を見上げました。
「……今日は、眠れなさそう…」
小さく言った言葉は、冷気に包まれて消えていきます。
ボクは布団の代わりに使っている段ボールにくるまり、舗装のされていない畦道に横になりました。
(……ボクは、いつになったらこの生活から解放されるんだろう)
考えても仕方のないことを考えてしまうのは、ボクの悪い癖です。
「…寝よう」
呟き、段ボールをすっぽりと被ります。
「おやすみ」
誰に言う訳ではなく呟き、静かに目を閉じました。
−−−−ザクッ−−−−
不意に、誰かの足音が聞こえました。
−−−−ザク、ザク−−−−
その足音は、どんどんボクの方に近付いています。
(誰…!?)
ボクのいる、この橋の下は人は滅多に近付かない場処です。
−−−−サクッ−−−−
やがて足音は、ボクの真正面で止まりました。
「……」