愛色と哀色の夜
「…い、如何ですか?」
麗菓さんは薄手の上着の裾を軽く持ってくるりと回りました。
「…うん、中々いいんじゃないかな?」
くるりと一周した麗菓さんにルイさんは頷き
「じゃあ麗菓ちゃん、麗奈ちゃん、あまり長話をしている暇はないから行こうか?」
そういうと、先に歩いていってしまいました。
「ま、待って下さい…っ!!」
「そうだよ!一体何処に行くのさ!!」
ボクと麗菓さんは私達を置いて行かんとばかりに先を歩くルイさんを必死で呼び止めます。
「………何処、って…?」
ボク達の言葉に反応してか、はたまたただの独り言なのか、ルイさんは立ち止まり
「…君たちには、「華」になってもらうよ」
…それは、悪魔の囁きでした。
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