愛色と哀色の夜
「…おいしい…!!」
ルイさんが頼んだ「らーめん」という食べ物を食べボクは声を上げました。
「喜んでくれたならよかった」
そう言ってルイさんは自分の分のらーめんに口を付けます。
ふと隣を見るとさっきから俯いている麗菓さんと目が合います。麗菓さんはなにか寂しそうな声音で溜め息を吐きました。
「…今頃きっと、父様達は大騒ぎですね…」
溜め息混じりに言うと何処ともなく天井を見上げる麗菓さん。…そう言えば、ボクは麗菓さんのことをまだよく知らないことを思い出しました。
「…麗菓ちゃんは、家出したんだっけ?」
はい、麗菓さんは言うとルイさんの方を向きます。ルイさんはボクを見て何故かはわからないけど頷きました。
「麗菓さんのおとうさんとおかあさんって、どんな人なの?」
「わたしの…ですか?」
麗菓さんは首を傾げると、迷うように視線を剃らせます。そしてボクとルイさんを見て、真面目な顔をしました。