Powder Snow ~P.S会いたい~
翌日。
あたしとりくは、
電車を乗り継いで、
海へやってきた。
「久々にきたなぁ、海なんて」
りくが肌寒そうにしてる。
あたしは、潮風が気持ちよくて、しばらく海をじっと見つめてた。
「あたしの生まれ育った場所はね、海が近かったの。この匂い、懐かしいな」
「行ってみたいな」
りくがあたしの隣にきた。
「ダメだよ…あたしは、もう帰らないんだから」
「…」
「過去を全てを捨てるって決めた。そのうち、りくにも話すよ」
「分かった」
あたしは潮風を飲み込んで、思った。
ねぇなお、
あたしには今、りくがいるよ。
なおには、
隣にいてくれる人はいますか?