捕らわれ姫




「せん「姫野さんは身長どれくらいですか?」


ハッキリ言えない私に気付くわけもなく、先生は会話を続ける。


……早くどいて!



「ひゃ、153センチです…っ
 ていうか! ち、近す「そうですか、153センチは小さいですね。僕は177あるんですよ、これでも」



私の必死の訴えに気付かないまま話は続き、そのたび耳に息がかかり私の体は跳ねる。


……離れたいけど囲まれて逃げ場がない。しかもすぐ真横に顔があるから横向けない…っ


誰か助けてーっ!



あまりの恥ずかしさに体を小さくさせて目をつぶっていたら、

「ふっ ……必死」


耳に息がかかるのと同時に後ろの気配が無くなった。

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