捕らわれ姫
* 3 *
「……では、この生物の特徴を――飯塚さん、お願いします」
「はい」
午後の授業は生物。
いつものように、ヨレヨレの白衣姿で分厚い眼鏡越しに教科書を見ている先生が、教壇に立っている。
「はい、よくできました。では――」
お昼を過ぎてお腹いっぱいの今、この教室内の生徒たちは眠気MAX。
甘く響く先生の低い声は、いとも簡単に私の意識を飛ばしていく。
「この特徴を生かした―――」
ほら。 もう、夢の……な、か…………
………………………
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