捕らわれ姫




「「えっ」」



恐らく、関口君の「えっ」は、内容に対して。


私の「えっ」は……


「では、いま私が言った内容を復唱して下さい。
 まずは姫野さんから、どうぞ」



聞いてなかった。



「はい、どうぞ?」



しかも、きっと先生は気付いてる……。



「なんだよそれ。分かんないわけないじゃん。

 なぁ、姫」



先生の質問に、関口君はバカにされたと思い怒ってしまった。


でも―――


「……ごめんなさい。

 聞いてませんでした」



私は、バカだった。

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