捕らわれ姫




舞ちゃんの言葉に、確かに……と思った。


授業の解らない所を聞くと教えてくれるけど、それ以外は生徒と話すのを見たことがない。



「ま、別にそんなに深く考える事じゃないけどね」


舞ちゃんが口調を明るくした。

よほど私の表情が不安げだったんだろう。



「とりあえず私は帰るわ。
 さくも帰り遅くならないようにね!」


旧校舎への渡り廊下の前で私たちは別れた。

舞ちゃんは大きく手を振ってる。
それに答えるように私も手を振ると、旧校舎までの廊下を歩き始めた。



……授業の事で怒られるのかな…。


怖いなぁ……。

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