捕らわれ姫
目の前の真っ白なしわくちゃの白衣を見ていたら、吸い込まれそうで……
体が傾き先生の肩におでこが触れた瞬間――
「いい子で待ってて下さい」
耳元で囁かれたその言葉に、私は身動きできない。
そんな私をそのままに、先生は「掃除をお願いします」と一言言って、背中を向けて歩き出した。
私はその姿を見ているしか出来なかった。
その、温もりを知ってしまったら―――
……もう、抜け出せない
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