捕らわれ姫






「お前……何やってんだよ…!」




先生の後ろ姿が見えなくなったと同時に、後ろから怒り露わな声がした。

腕を引かれ振り向くと、顔を真っ赤にした関口君だった。



「……三上に何かされてたろ!」



―――どうしよう…っ


今の見られてた……?!




「ち、違うの…っ」

「何が! お前……なんか脅されてんじゃ…っ」


「誤解だよ!」



何故か彼はいつもの明るさが嘘のように興奮してる。


どうしよう……騒ぎになったら…っ



「立ちくらみして……先生が支えてくれたの。

 嘘じゃない。本当だから」

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