捕らわれ姫




「三上“先生”と呼びなさい。

 僕は君の友達じゃないですよ」



振り向くと、いつもの無表情の先生がいた。



「……すんません。
 これ、昨日の課題…」

関口君が差し出したノートを見て先生は大きな溜め息を吐く。



「君ね、これは放課後すぐっていう約束だったよね?」

「あっ えっと……忘れてました…」

「罰としての宿題を忘れたんですか?では忘れた罰として新たに」
「わぁ――っ

 すんませんっした!!」


「……ぷっ あははは」



そのやりとりが面白くて。

隣で聞いていた私は堪えきれず笑ってしまった。

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