捕らわれ姫






「―――さん、」




早く掃除も終わらせて、なるべく誤解されないようにしなきゃいけない。

舞ちゃんも先生がいつもと違うって言ってた。


それって―――



「姫野さん!」

「…っ はいぃぃぃっ!!」



考えていたら、先生の呼び声で我に返った。

振り向くと、先生が後ろにいて心なしか呆れた顔で私を見下ろしてる……気がする。


途端に、私の心臓は壊れそうなほど早鐘を打つ。



ドキドキ……ドキドキ


「あの…」



もしかして……また近くにくる…?


先生のあの香りに包まれるの?


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