捕らわれ姫
……部活…?
「……はい。体動かしたりするのが苦手で…」
「文化部は?」
「……入りたい部がないんです」
中学の時は絵を書くのが好きで美術部にいた。
でも、この高校には美術部がない。
「そうですか」
先生は自分で聞いてきたくせにあまり興味ないように淡々と答える。
……もう帰ってもいいの?
私の気持ちに気付かない先生は、ゆっくり顔を上げて私を見た。
「なら……少し手伝ってくれませんか?」
初めて先生の瞳を見た。
髪と同じ、黒い瞳。
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