捕らわれ姫




「何を…」



聞いた私に先生は答えることなく立ち上がると、壁いっぱいに並べられた本の前に立ち――


「これをジャンル毎に分けてほしいんです」



その凄さに、私は軽い目眩がした。




「せ、先生……その本の量と…」


埃の凄さ……。



先生は私の言いたいことが分からないのか、


「はい。多分すぐには終わらないと思います。

 夏休みまでに終わらせてくれればいいですから」



なんて事を言った。





舞ちゃん……どうやって断ればいいですか?


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