連想ゲーム
彼氏がいるのに飲み会で


例えば、連想ゲームで[私]と言えば、皆は絶対にあの名前を答えるだろう。

「武田くん」

部所の忘年会。隣で生中を飲み干しながら、返事をする彼に、私は見えない様に溜め息をついた。

そう、私の彼は部所の誰もが認めるバカップルならぬ、バカレシだ。
ムードメーカーで、仕事も出来る彼は誰もが信頼を寄せている。

そんな人物に、何度も愛を囁かれ…いや、叫ばれれば、誰だって折れてしまうに違いない。


「武田先輩、篠田先輩のどこに惚れたんすか?」

顔を既に真っ赤にした後輩の空気を読めない発言に、周囲からはヤジが飛ぶ。
無理もない。毎日のように通る声で、どれだけ私が好きかを熱弁されているのだから。心中察しなさい、後輩よ。

デレデレ顔の彼を横目に、私は化粧室へと席をたった。



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