ありがとババア
旧家っていうの?
由緒正しいっていうの?
とにかく、遠藤さんちは古い。
それはボロいって意味ではなく、歴史を感じさせるような重厚な家。
「どうぞどうぞ」
この家の主と思われるおじさんに招かれて
ピカピカ光る木目の広い廊下を、お母さんと並んで歩く。
畳と、木と、お線香の匂い。
穴ひとつ開いていない障子が開けられて、中に通された。
部屋の真ん中で存在感を放っている木のデカいテーブルの前に
おどおどしながら座るアタシ達。