ありがとババア
「お茶いれてきますので、ごゆっくり」

おじさんの姿が消えて

「何かすごい家だね!お母さ…」

横に目をやると、

隣に座っていたはずのお母さんがいない。

あれ?


チ――ン…


突然聞こえてきた金属っぽい音に、驚いて見る。


お母さんは

部屋の隅にある大きい仏壇の前に正座して

だまって手を合わせていた。


「何やってんのぉ?」

四つんばいで近寄るアタシに

「ホラ、同じようにして!」

小声で怒るお母さん。

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