ありがとババア
おばあちゃんは

くぼんだ目とシワだらけの口をパカッと開けたまま

「あわわわ…!」

ペタリと地面に座りこんでしまった。


「えええっ!?」

アタシは急いで自転車から降りて、ガシャンとスタンドをたて

「だ、大丈夫ですか!?」

おばあちゃんに声をかける。


大丈夫だよね?

だって、ぶつかってないもん!


「立てますか?おばあちゃん」


しゃがみこんで、おばあちゃんの腕をそっと引き上げた。
< 5 / 77 >

この作品をシェア

pagetop