ありがとババア




ペッと唾を吐いて

穴ぐらの奥に

戻ろうとした時―――


ぼろ雑巾のように

引きずられながら

こちらを振り返り

歯を見せて

にやりと笑う奴が見えた。


ああ、あれは…

『せいぜい頑張れば?』

そう言っているに違いない。


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