ありがとババア
この先に続く道
「それからすぐに終戦を迎えて、親父は無事に帰って来たんです」


チリーン…


揺れた風鈴が鳴り

縁側で寝ていたおばあちゃんが、ふっと目を覚ました。


話し終えて、お茶を飲みながら一息つくおじさん。


アタシは言葉を失って

ずっと俯いていた。


まさか、

戦争の話になるなんて。



「それで、お父様とお母様は佐藤さんを…」

お母さんが慎重な様子で口を開く。
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