ありがとババア
「『もしかしたら、奇跡的に助かってどこかで生きているかもしれない、お礼を言いたい』と言って…。それで、佐藤誠五郎さんを探していたんです」


そうだったのか。


「お宅までお邪魔して、すみませんでした」

「いえいえ、何のお力にもなれませんで…」

丁寧に頭を下げるお母さん。


でも、一番気になる問題は

まだ解決していない。


「おばあちゃんは?」


痩せた三毛猫が、おばあちゃんの膝にピョンと飛び乗った。

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