【BL】スウィートチョコレート



彼が嬉しそうな顔をしていると、こっちまで嬉しくなる。


彼の感情が伝染してくる。



「一つどうだ?」


彼に見惚れていた隙に、チョコレートが一つ口元に押しつけられていた。


僕は慌てて首を振る。



「僕は遠慮しとく!お酒苦手だし」
「大丈夫。チョコレートが甘いから。」
「でも………」
「酔ったら、俺が面倒見てやるよ。」


弧を描く口元。


こういう時の彼は意地悪で、絶対に引いてくれない。



「ちゃんと責任取ってよ?」


僕はチョコを口に含んだ。


噛んだ途端、広がるお酒の香り。

舌先が痺れる感覚。



< 4 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop