【BL】スウィートチョコレート
彼が嬉しそうな顔をしていると、こっちまで嬉しくなる。
彼の感情が伝染してくる。
「一つどうだ?」
彼に見惚れていた隙に、チョコレートが一つ口元に押しつけられていた。
僕は慌てて首を振る。
「僕は遠慮しとく!お酒苦手だし」
「大丈夫。チョコレートが甘いから。」
「でも………」
「酔ったら、俺が面倒見てやるよ。」
弧を描く口元。
こういう時の彼は意地悪で、絶対に引いてくれない。
「ちゃんと責任取ってよ?」
僕はチョコを口に含んだ。
噛んだ途端、広がるお酒の香り。
舌先が痺れる感覚。