Carrying
出会い系。
「はぁー?何こいつぅ」
「どうしたの!誰誰ぇどこのどいつぅ!?」
ここは、学校の屋上。
隣で足を伸ばして座っているアキが目を丸くしいきなり、飛び付いて来た。
それは、めったに怒らない私が怒鳴り声を上げたからだ。
私は今、世界でもっとも進化し、便利な“携帯電話”に悩まされている。
「こいつ!何一人でキレてんの」
携帯のメール画面には、こう書かれている。
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TJだよ
いつになったら返信くれるの
もう、知らないからね
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私には、こういったメールが一日約30件ほど届く。
「TJ……?何これ」
「えっ、これはね………」
不気味に口元を緩めながら言った。
「出会い系。」