単行版:武士ドルが斬る!?
〔第1巻 ―序章:人間五十年―〕
お前の亡骸を焼く光景に…わしは誓った…。
お前に新たな世を見せてやるという誓いはずっと変わらない事を…。
炎が…吉乃の身体を包み空に高らかにその柱を連ねた。
「奇襲でございます!」
夢の中で見ていた炎の柱は…現実となりわしの目の前で火柱を連ねて揺れた。
「殿!?
申し上げます…。
明智光秀…謀反にございます!」
大長刀を手にとり合戦に備えた部下から敵の名を知らされる。
「光秀…か。
朝廷に唆されたな…。」
目前の扉を破り敵の兵が炎と一緒になだれ込んできた。
「殿…!?」
援軍に駆けつけたは…濃だった。
敵の目を気にして濃に近づき小声で呟く。
「濃…。
地下にある暦の扉の前で待て…。」
濃が頷いたのを見て…声を張り上げた。
「何をしている! 女(おなご)の助けなどいらぬ!
この寺より早く落ちよ!」
濃もわしの言葉に声を張り上げ応戦する。
「ここにお連れ下さった時より私も…兵の1人!
地獄の果てでもお供いたしまする!」
濃が…果敢に長刀を古い敵をなぎ倒す。
我は‥濃の前に出て長刀を振るい叫んだ。
「行けっ!」
濃は頷き‥何人かの使いの者と僧達と共に‥この寺に眠る地下堂に進むのを確認する。