甘えて、拒否され、結局は


なでなでー、ついでにズボンのチャックに手を伸ばせば、さすがに払われてしまった。


「暗いから、外から車内は見えないと思うんだけどなー」


「じゃあ、裸になってみろ」


「あなたがそんなプレイをお望みならば」


「本気にするなっ」


私の羞恥心に期待した彼の敗北。――というか、彼が本気でそんなこと望んでいないと知っている私のが一枚上手なだけか。


「寄りかかりたい。じゃなきゃ、高度なセクハラする」


「何をする気だ……」


呆れつつも、『ダメだ』と言わないならば『いいよ』な返事。


彼の肩に頭をつけてみるも。


「真ん中のコレ、邪魔」


「コレなきゃ運転できんがな」


真ん中コレもとい、運転席、助手席間にあるサイドブレーキもろもろ。


「今の車って、足元だったり、ハンドル脇についているものなんだけどなー」


「悪かったな、古い車で」


拗ねた顔を拝みつつ、倒れているサイドブレーキを指先でさすってみる。


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