はちみつれもん
麗奈は、嬉しそうに 嬉しそうに
にっこりと微笑んだ。
正に不意打ち。
今のを直視したら、そりゃダメだろ。ポーカーフェイスが保てない。
だから、仕方なく一度顔を逆側に向けた。
もう一度麗奈の方に視線を向けると、窓の方を眺めてて。
青い空と、その境目に海。
松原に、富士山。
俺には見慣れた風景。
でも、麗奈にとっては違った景観に見えるのかもしれない。
解散になってすぐに、麗奈を呼び止めた。
「麗奈、ちょっときて。」
「でも、あずと…」
「いいから。」
強引に連れ出して、そのまま体育館に向かう。
「ねぇ、どこいくの?」
その質問にも答えず、ただ歩き続けた。
「ねぇ、」
「いいから。」
手を掴んで俺のペースに合わせさせた。