冷たいお兄ちゃんと禁断の恋
―菜乃side
【菜乃side】
「はい、できたよ」
料理を並べる。
お兄ちゃんと机を挟んで座る。
「お兄ちゃん、出来立て食べたことないでしょ?出来立てが一番美味しいんだよ」
初めて、一緒にご飯を食べる。
「お、美味しい…?」
「ああ」
「よかった…」
初めて、お兄ちゃんに美味しって言ってもらった。
初めて、返事が返ってきた。
たくさんの初めてが今日あった。
嬉しいな。
お兄ちゃんが初めて微笑んでくれて…
いきなり、こんな幸せなことがたくさん起こってもいいのだろうか?
少し心配になる。
お兄ちゃんは私のことが嫌いなのに、どうして今日はこんなに優しいんだろう。