冷たいお兄ちゃんと禁断の恋


母さんが残した小さな紙に書いてある地図を見ながら歩く。




ここか…





“富田”






チャイムを押す。









「新くん?」



優しそうな人。



「はい」


「よく来てくれたわね、さあ上がって」


「おじゃまします」








入りたくなかったこんな家。




あの親父が。

あの憎い親父が楽しそうに暮らしていただろうこの家。










吐き気がする。





< 13 / 173 >

この作品をシェア

pagetop