冷たいお兄ちゃんと禁断の恋
「お、お兄ちゃん…ありがとう」
そう言うと、お兄ちゃんが少し微笑んでくれたような気がした。
私がテレビを見ていると、肩に何かが当たった。
横を見るとお兄ちゃんの顔。
どうやら、私の肩にもたれかかって寝てしまったようだ。
お兄ちゃん、もしかして寝てなかったの?
ずっと私を探してくれてたの?
自意識過剰だとは思うが、お兄ちゃんが寝てなかった事は事実だろう。
嫌いなはずの私の肩で寝てしまうほど疲れていたんだろう。
私の肩で寝息をたてているお兄ちゃんの顔を見る。
こんなに近くで見るのは初めてだ。
整った顔、長いまつげ。
何でこんなに私の心を掻き乱すのかな…?