冷たいお兄ちゃんと禁断の恋
私はお兄ちゃんをソファーに横にさせ、毛布をかけておいた。
右ポケットに手を入れる。
あれ?
携帯がない…
携帯、公園に忘れたのかな…?
急いで公園に向かった。
ベンチにあった私の携帯。
それを取り、帰ろうとしたとき。
「富田さんだ」
「中野くん…?」
こんな所で会うなんて思ってもみなかった。
この公園は、人があまり来ない。
だから来るのは私くらいなのかと思っていた。
中野くんの手には、なぜか花束が握られている。
「富田さん、こんな所で何してるの?」
「ここに携帯忘れちゃって」
「へぇ…ここで会うのは久しぶりだね」
「え?この公園で会うの、初めてじゃない?」
中野くん、何言ってるのかな?
この公園で、会ったことあったっけ?
いや…ないはず。