冷たいお兄ちゃんと禁断の恋
ガチャ
それから2時間くらいたった頃、玄関のドアが開いた。
ただいま、と言われたからおかえりと言った。
びっくりした表情で立っている菜乃。
まあ、普段おかえりなんて言わないしな。
半分、むかついていたからだと言う理由もある。
リビングに入れると、今まで何事もなかったかのようにしている。
実際悪い事はなにもしてないわけだけど。
「お兄ちゃん?」
菜乃のそんな態度が余計にイラつかせる。
以前のように、憎いという感情ではない。
憎いわけではないが、イライラする。
むかつく。
なんでだろうな?
「お前さ、」
その続きはあったはずだが、言う前に体が動いていた。
俺に押し倒されても菜乃は、どうしたの?なんて言ってる。
うざい。
さっきまで男と仲よさそうに話してたよね?
そんなことを思う権利は俺にはないのに。
ましてや、昨日までずっと俺から距離をおいていた。