LOVE PRINCESS(歩夢&真希)
中学生編-恋に気付く
「歩、また背伸びた?」
英語の教師の単調な声を聞きながら、寝ようとしてた俺の背後から聞こえた声。
今はそれすら子守唄に聞こえるくらいに眠い。
それなのにツンツンとさされた背中に、仕方なく振り返ると、真希の不貞腐れた顔があった。
ったく、何だよ。
「……背? 新学期から測ってねーから知らね」
「何であんたが前の席なわけ?
黒板見難いのよね!
座高だけが伸びてんじゃないの?」
んっと、うるせーな。
だから、たった今!
寝るところだっちゅうの。
ふぁ~と欠伸をひとつすると、俺は再び机に倒れ込んだ。
俺のクラスは、学期中の席替えはなし。
担任が面倒だから、だそーで。
だから、もうすぐ終わろうとしている二学期中は真希が俺の後ろまんま。
小学校の頃はデカかった真希は、中学で伸び続ける俺が気に入らない様子だ。
仕方なくね?
成長期なんだしさ。
あー……そういやぁ、真希と喋ったの久しぶりかも。
なんて思いながら、夢の世界へ入った。