LOVE PRINCESS(歩夢&真希)



ただ。
こういう事があると、真希は俺が好きなんだろう。って思う。

俺も多分、真希が好きなんだろう。と思う。


けど。
まだ付き合うとかよくわからない。ってのが本音だったりする。


別に今のままで問題なくね?

普通に喋るし。
一緒に帰ろうと思えば帰れるし。
遊ぼうと思えば遊ぶことだって出来るわけで。

兄ちゃん達みたいに“好き”とかは、恥ずかしくて死んでも言えないけど。


プリントを真剣に解いている真希の2つに結んだ長い髪の先が、教科書についてるのに、ふと手が出て


「お前、髪伸びたなー」


って言って、ちょっと触れただけだぞ!


それなのに、また真っ赤になって毛先を両手で掴み


「さっ、さわんないでよっ!
……伸ばしてんだから当然でしょ!?」


って、俺はバイキン扱いか!


「はいはい。もう触りませんよー」

「えっ、あっ、別にそんな意味じゃ…」

「ほら……続きすんぞ」


そんな哀しそうな目で見るなってーの。

別に、もう触らねーって。


ちょっと、長くなったな。って思っただけじゃん。


「てか、コレはあんたの課題なのに、偉そうに言わないでくれる?」


そう怒った口調の真希。


やっぱ真希は、こうでなきゃな。
さっきみたいなのは勘弁だわ。

どうしていいかわからなくなる。

< 16 / 46 >

この作品をシェア

pagetop