LOVE PRINCESS(歩夢&真希)
ただ。
こういう事があると、真希は俺が好きなんだろう。って思う。
俺も多分、真希が好きなんだろう。と思う。
けど。
まだ付き合うとかよくわからない。ってのが本音だったりする。
別に今のままで問題なくね?
普通に喋るし。
一緒に帰ろうと思えば帰れるし。
遊ぼうと思えば遊ぶことだって出来るわけで。
兄ちゃん達みたいに“好き”とかは、恥ずかしくて死んでも言えないけど。
プリントを真剣に解いている真希の2つに結んだ長い髪の先が、教科書についてるのに、ふと手が出て
「お前、髪伸びたなー」
って言って、ちょっと触れただけだぞ!
それなのに、また真っ赤になって毛先を両手で掴み
「さっ、さわんないでよっ!
……伸ばしてんだから当然でしょ!?」
って、俺はバイキン扱いか!
「はいはい。もう触りませんよー」
「えっ、あっ、別にそんな意味じゃ…」
「ほら……続きすんぞ」
そんな哀しそうな目で見るなってーの。
別に、もう触らねーって。
ちょっと、長くなったな。って思っただけじゃん。
「てか、コレはあんたの課題なのに、偉そうに言わないでくれる?」
そう怒った口調の真希。
やっぱ真希は、こうでなきゃな。
さっきみたいなのは勘弁だわ。
どうしていいかわからなくなる。