LOVE PRINCESS(歩夢&真希)
何とか今日中に、プリントを提出出来た。
帰る頃には、外は真っ暗で。
勿論、近所の真希と一緒に帰る。
当然のことなんだけど。
手伝ってももらったし。
送って帰らなかったりしたら、母さんも恐ろしいし。
ただ、俺が後少し早く終わらせてれば……良かったんだと思う。
てか先生が課題プリント2枚にしてくれれば良かったんじゃね? とも思うけど。
雲行きの怪しかった空から降り出した大粒の雨。
それが帰り道の途中で、土砂降りになってしまった。
早く家に帰ろうと、走ったのまでは良かったんだけど。
途中で、転んでしまった真希の足は赤く腫れてる。
「大丈夫かよ?」
「え、うん、平気」
真希は、全然平気そうじゃない顔で答える。
シャッターの閉まった店の前で雨宿りするものの、雨は中々止みそうにない。
「制服も濡れてるし……ここに居ても風邪引くだけだし、帰るか」
「あ、うん。
……歩は、部活もあって風邪なんて引いてらんないでしょう?
先に走って帰っていいよ」
「はぁ?」
「また転んじゃいそうだし。私は歩いて、ゆっくり帰るね」
「こんな雨ん中、歩いて?」
「うん」
「お前、馬鹿じゃねーの?
こんな雨ん中、歩いて帰る馬鹿がどこにいんだよ。
つべこべ言ってねーで、ほら」
そんな見え透いた嘘、俺がわかんねーとでも思ってんのか。