LOVE PRINCESS(歩夢&真希)
次の日の朝。
朝練のなかった俺は、遅刻ギリギリの登校。
朝練がある日は、勿論遅刻なんかしねぇ。
家だって早めに家も出る、けど朝練がない日は遅刻しなければ良い方だ。
「おい、歩夢ー!」
「あー?」
「お前、寝ぼけてる場合じゃないって!」
朝から大きな声を出す部活仲間にイラッとした。
俺は低血圧ってやつなんだ。
いつもなら昼休みくらいまで誰も俺に話しかけて来ないのに、今日は違った。
「ちょ、起きろって! 黒板見てみー?」
黒板?
まだ授業すら始まってねーのに、何で見なきゃ……
はぁ?
何じゃこれ?
気だるい顔の俺は、険しい顔へと変わっていくのが自分でもわかった。
黒板には、今時こんな事するか? ってなくらいにデカデカと書かれた文字があって。
【昨日、大橋真希が林歩夢におんぶされてチューしてた! らっぶらぶ~】
みたいな内容が絵付きで書かれていた。
って、チューなんてしてねーし!
「なぁ。あれってマジ?」
「いや、おんぶはしてたけど。チューとかしてねーし」
「じゃあ半分はマジなわけ?」
「まぁな。しかし暇な奴もいるもんだな」
こんなの書いて何が楽しいんだか。
あほらし……。
寝よ。
ハッキリ言ってそれだけだ。