LOVE PRINCESS(歩夢&真希)
「告白の相手って川口だったの?」
そう言いながら、真希と人一人分空けた場所に座った。
「なっ、何座ってんのよ!?」
「川口だったの?」
両手をポケットに手を入れたまま、真希に目線の高さに合わせ猫背になった俺は尋ねた。
フィッと視線を逸らす真希。
「だから、歩には関係ないっ」
まだ言うか。
だーかーら。
「俺が気になってるんですけどっ」
「ふぁっ!?」
変に迫力のある声と同時にこっちを向いた真希。
……恐いんすけど。
「だから川口かって聞いてんだけど」
「気になるって何よっ!?」
全く会話が噛み合わない。
「だからっ! 川口なのか?」
半ば、怒鳴り声にも似た言い方。
「そうだってば! だから、気になるってなによ!?」
同じ様に怒鳴る真希。
それを聞いて視線を床へと落とした。
やっぱり、川口だったのか。
あいつ、モテるんだよな。
確か。
返事したんだよな。
するって言ってたもんな。
何てしたんだろう……。
「ちょっと聞いてる? 歩!?」
「何て……返事したの?」
床へと逸らした視線を真希へと向け直した。